17.05.03 東京都薬用植物園


アカザ (藜)

     

     

 

ヒユ科(アカザ科)アカザ属 

学名 Chenopodium centrorubrum

原産地 北海道〜沖縄、中国、モンゴル、朝鮮     

一年草


 新芽の中心が紅紫色に色づくのが特徴の一年草。

雑草として日本中で見られる。よく似たものに芽の中心が白いシロザがある。

アカザで知られるのは、なんといっても「藜の杖」である。

古くからの話によると、アカザで作った杖は軽く丈夫で、長生きする縁起のいい

ものだといわれている。たしかにアカザは大きくなり、太く丈夫な茎をつくる。

しかし、その茎は中空で、杖にするには明らかに強度不足である。

それを見ると、アカザの茎が杖になるという話はどこから出てきたのか疑問に思えて

しまう。最近アカザの茎に硬い木の芯を入れた杖が売られているのを見たことが

ある。加工してまでこだわるその霊験にはまいってしまった。

アカザは他にも、軟らかい新芽を食用にすることでも知られている。

それを目的に栽培されることもあるという。