04.6.2 水元公園


ヨシ (葦)             

   

別名 アシ、キタヨシ

イネ科ヨシ属 

学名 Phragmites communis

原産地 北海道〜沖縄、世界の暖帯〜亜寒帯

多年草


 湿地を代表する植物で、広大な群生をするため、その風景を葦原(あしはら)と

呼んだりする。 呼び名がアシ、ヨシと2つあり、どちらもよく使われるので、

どちらが正解ということではない。 先に行った葦原は、アシという呼び名だが、

これをつかった日よけの道具は葦簀(よしず)で、ヨシである。 図鑑によっても

表記が異なり、ヨシだったりアシだったりする。 自分の手元の図鑑でも違いが

あったので、1番信頼できると思われる図鑑に従った。 説によると、アシという

名前が「悪し」に繋がるため、「良し」のヨシに転化したとも言われている。

 古来より伝記、伝説に多く登場する植物で、身近なものだったことがわかる。

ヨシは中が空洞なため、あし笛という笛になる。 あし笛はギリシャ神話の牧神

パンの伝承でも知られている。 ヨシを編んで作ったアシ舟は紀元前四千年の

エジプトでも作られていたもっとも古い船の1つである。 チグリス・ユーフラテス

や南米のチチカカ湖でも使用され、日本でも神話に登場する。 イザナギ・イザナミ

が最初に産まれた子供の蛭子(ひるこ)を流したのもアシ舟である。

 葦原は様々な湿地の生物のよりどころである。 環境の指針でもあり、葦原は

水質浄化の役目を担っているとされている。 無駄な土地として開発せず、なるべく

残して欲しい風景である。