07.7.8 日光植物園


バイケイソウ 

 

 

別名 シノノメソウ

シュロソウ科(ユリ科)シュロソウ属

学名  Veratrum album ssp. oxysepalum

原産地 本州、北海道、樺太、千島、朝鮮、中国東北部、ウスリー、

    ダフリア、カムチャッカ

多年草


 山地の湿った草原などに生える大型の多年草。日本では本州以北の

冷涼な地域に生育し、北はアジア東北部に広く自生している。名前の

由来は葉がラン科のケイランに似て、花がウメに似ることからバイケイソウ

の名がついたという。7〜8月に高さ一メートル以上の花茎をのばし、

緑白色の花を密につける。高山地域の湿地では近縁のコバイケイソウが

良く目に付くが、それに比べ花色が地味なため、あまり注目はされない

ようだ。バイケイソウの名が知られるのは、同じユリ科のギボウシと

間違えて食べ、中毒事件をよく起こす植物としてであろう。ギボウシは

ウルイという名で、美味な山菜として知られているが、本種はその芽出し

の様子が似ており、専門家でなくてはその判別は難しい。なるべく山では

手を出さないことが重要であろう。全草にアルカロイドを含み、根茎は

昔は薬用に使われた。シノノメソウ(東雲草)という名で殺虫薬にも使用

されていたという。中毒事件が後を絶たないことから悪名だけが先行して

いるが、花姿は立派なものであり、花色がもう少し良ければ、観賞用として

十分通用すると思われるがどうだろう。