05.5.12 東京都薬用植物園
ベラドンナ
別名 オオカミナスビ、セイヨウハシリドコロ
ナス科オオカミナスビ属
学名 Atropa belladonna
原産地 ヨーロッパ西南部〜西アジア
多年草
ヨーロッパから西アジアにかけての乾燥地が原産の多年草。
高さ1mほどになり、茶色い筒形の地味な花を咲かせる。
花言葉は「なんじを呪う」「男への死の贈物」だというが、なぜこんな恐ろしい言葉
がついているかというと、全草にアルカロイド成分を含み、古くから毒草として
知られているからである。 成分はヒヨスチアミン(hyoscyamine)、アトロピン
(atropine)などで、鎮痛、催眠などの作用があり、薬用にも使われる。
中世では魔女の使う毒草としても有名で、魔女がサバトに出かける時に、この草を
原料にした膏薬を身体に塗ってから出かけたと言われている。
この草の汁には瞳孔を散大させる作用がある。 そのため、女性は目を美しく見せる
ためにこの汁を目にさしたという。 ベラドンナ(Bella Donna)とはイタリア語で
「美しい淑女」という意味で、その作用から名前がきていることがわかる。
しかし美しく見せるためといって、1歩間違えば死をともなうこの植物を使うという
のはすごい話である。