洋ランとして知られるシンビジュームの園芸品種。本種は従来の

東南アジア系のシンビジュームと、日本のシュンランなどとの交配に

よって生まれた品種である。通常、日本のシュンランなどは東洋ラン

という系統に入り、交配などはせず、自然変異種を選別して観賞する

のが決まりであった。そのため原種に近い、独特の魅力のある品種が

多く、派手さを追求した洋ランとは一線を画していた。しかし最近、

東京ドームなどでラン展が開催されるなど、今までランの世界に縁の

無かった一般客が増えるに従って、互いの差はそれほど意識されなく

なった。そのため本種のような両者の交配種が登場するようになって

きた。もともと同じ属内種なので交配は難しくないと思われるが、

両者の味を上手く出せるかどうかが問題だろうと思われる。本種は

東洋ランの持つ全体の姿の美しさと、洋ランのもつ大きく美しい花と

を合わせ持った成功例と言えるだろう。これから、こういった新しい

品種群は、ますます増えていくだろうと思われる。