17.06.15 筑波実験植物園

03.04.17 小石川植物園

03.04.17 小石川植物園


ドクウツギ (毒空木)     

     

 

別名 イチロベエゴロシ

ドクウツギ科ドクウツギ属 

学名 Coriaria japonica

原産地 北海道〜本州(近畿地方以東)

落葉低木


 枝が中空で、毒があることからドクウツギの名がある。名前にドクがつき、

別名もイチロベエゴロシ。物騒な植物であることは良く知られているようだ。

写真は、上が雄花で、下が雌花。雌雄異花序で、一本の木に雄花序と雌花序がつく。

雌花序には赤い実がブドウの房のようにつき、いかにもおいしそうに見える。

しかしこの実を食べれば確実に中毒をおこす。子どもの事故が多いという。

実はやがて黒く熟す。黒くなると毒が弱くなり、果肉は食べることができるというが、種子には

毒がいぜんあるので、食べれない。これは、鳥がこの実を食べて種子を散布するようにするためと

思われる。つまり、鳥は歯が無いので、実は食べれても、種子をすりつぶすことはできない。

だから、ドクウツギの毒には中毒しないが、ほ乳類などがこの実を食べると種子までかみ砕いてしまい、

中毒する。動物に散布をまかせても、種子は守るための手段と推測できる。

ドクウツギ科はドクウツギ属1属だけからなる植物群で、世界に16種あるが、ばらばらに隔離分布することで

植物学者の間で有名である。前川文夫博士が、白亜紀ごろの赤道にそった分布をしていることから、

「古赤道説」を提唱している。その他にも諸説あり、詳しい研究はまだこれからだと思われる。

他の植物とは、類縁関係が見つかっていない。その成り立ちも謎な植物である。