02.09.11 東京都薬用植物園

15.10.14 筑波実験植物園


ヒョウタン (瓢箪)

  

  

別名 ヒサゴ

ウリ科ユウガオ属 

学名 Lagenaria siceraria

原産地 西アフリカ

一年草


 ヒョウタンと人類の関わりは古く、ほぼ人類の文明の歴史とともに

歩んできたといってもいい。アフリカ起源が有力な説だが、もっとも

古いヒョウタンの出土は、ペルーでの紀元前1万3000〜1万1000年の

遺跡からのもので、すでにその時代に海を渡って南アメリカにまで

行っていたことになる。日本でも福井県の鳥浜貝塚遺跡で見つかっており、

縄文前期のものとされている。ヒョウタンは食べるものではなく、

器としてその能力を発揮してきた。 火にかけることはできないが、

あらゆる穀物や食料の保存用、携帯用容器としてかかせないものだったろう。

楽器の原形ともなっているし、儀式用にも用いられた。まさに生活必需品と

して他に代わるものがないほどである。そのため、ヒョウタンにまつわる伝説、

説話は多く、中国における仙人とヒョウタンの組み合わせは定着化している

ほどだ。先にヒョウタンは食べるものではないと言ったが、これを食べる

習慣をもつ地域もある。沖縄、東南アジア、アフリカ、中国、ペルーなどで

食用にされるという。ちなみに日本でお寺のマークとして使われる卍だが、

ヒョウタンのつるからデザインされたという。