03.7.27 至仏山


イブキジャコウソウ (伊吹麝香草)    

     

 

別名 イワジャコウソウ

シソ科イブキジャコウソウ属

学名 Thymus quinquecostatus

原産地 北海道、本州、九州、朝鮮、中国、ヒマラヤ、アフガニスタン

多年草


 至仏山に登ると頂上近くでこの花をよく見かける。岩にへばりつくように、

乾燥した日当たりのいい場所に群生していた。背丈が低く這う性質をもつ多年草

で、茎の基部は木質化する。全体に麝香のような香りがあることからジャコウソウ

の名がついているらしい。花は鮮やかな紅紫色で美しい。高山の強い紫外線に輝く

ようで、自生地で見ると息をのむのどである。山草としてもよく売られているので、

花自体は園芸店でも見られるが、鉢植えにされた花はなんだか貧弱に見えてしまう。

属名はThymusで、いわゆるハーブのタイムと同じ仲間で、本種にも全草に香りがある。

高山植物のイメージが強いが、低地のハーブ園などでも大きな株を見ることができる

ことから、性質は丈夫で栽培しやすいようだ。生育しているのは石灰岩地や蛇紋岩地

なので、弱アルカリ性を好む植物のようである。