04.2.21 新宿御苑


カトレヤ  

ラン科カトレヤ属 

学名 Cattleya sp.

原産地 栽培種

多年草


ランというと、誰もが豪華な花を連想するが、それはこのカトレヤが作ったイメージといっても過言ではないだろう。

大輪で、ゆったりとフリルのついた花は優雅であり、同時に他の花にない強烈なオリジナリティがある。

花嫁のブーケなどに使われるが、写真のような白花はお葬式にも使われることもある。

じっさい、この花はバラやキクのように大量生産できないので、未だに高級なイメージは崩れない。

それにこの花には香りもある。 特に紅紫色系の花に香りの強いものがある。

カトレヤ属は交配がしやすい。 特に属間交配といって、属を越えて交配できるのがすごい。

その属間交配のおかげで、信じられないほど花色や形の変異が多くなった。 今ではカトレヤ属の中だけで

交配したものが見られないほど。 中には三属交配なんてのもあり、複雑を極めている。

代表的なのは、レリア属とのレリオカトレヤ(Lc)、ブルサボラ属とのブラソカトレヤ(Bc)、

ソフロニティス属とレリオカトレヤとの間にできたソフロレリオカトレヤ(Slc)などであるが、他にも多数ある。

カトレヤの名前は園芸家のウイリアム・カトレイ氏に因んでいる。 1818年、ブラジルのオルガン山で

カトレヤ・ラビアタ(C. labiata)が見つかり、1821年に英国で初めて開花が見られた。

最近ではたくさん生産され、他のランのように比較的一般の人でも求めやすくなった。

しかし栽培には温室などの設備が必要であり、まだまだ誰にでも育てられる、といった植物ではない。

ミニタイプのカトレヤは、場所もとらず寒さにも多少強いようなので、人気が出始めているようだ。