06.8.1 咲くやこの花館
ケナフ
アオイ科フヨウ属
学名 Hibiscus cannabinu
原産地 熱帯地方
一年草
熱帯地方原産のハイビスカスの仲間だが、最近、繊維植物としてとみに脚光を浴びるようになった。
木材に代わる紙の原料として、そして二酸化炭素を多く吸収する環境植物として、注目されたのだ。
一時期は小学校や、企業の敷地などでも積極に植えられるブームになったが、今はそれほどでなくなった。
というのも、このケナフを育てるだけでは、環境問題は解決しないという警告が一部から出たからだ。
実際、紙の原料にするにも、木材ほどパルプには適さない材料にくわえ、日本の環境では木材を使うほうが、
自然を破壊しないと言われている。 つまり、雨が多く木の生長が早い日本では、切った木材が更新するほうが、
紙が多く採れるという。 それに二酸化炭素の吸収にしても、そうして蓄積して得た植物体を何とか保管しとか
なくてはいけない。 なぜなら燃やしたりしてしまえば、せっかく蓄積した二酸化炭素をまた空気中に放出する
ことになってしまうからだ。 その点にしても、木材のほうが長年成長し続けるので自然の保管場所となる。
要するに、日本では環境植物としてはいまいち効果がないということだろうか。
しかし、実利的には疑問だとはしても、環境問題とは何かを考える教材としては良いだろう。