04.11.17 神奈川県立フラワーセンター
04.11.17 神奈川県立フラワーセンター
キク (菊)
キク科キク属
学名 Chrysanthemum morifolium (= Dendranthema × grandiflorum)
原産地 栽培種
多年草
秋の花として代表的な植物である。その花は豪華で、信じられないほどの造形の美を
みせる。花の改良は世界各地の文化とともにあるが、これほど人工的に完成している種も
珍しく、長い改良の歴史と努力が推し量られる。厚物(あつもの)といわれる大輪系が
よく目立つが、他にも様々な形の系統がある。秋には各地で展覧会が開かれ、美しい
花の数々が人気をよんでいる。
キクの交配親とされているのは、中国北部に生育するチョウセンノギク(C. zawadskii)
と中国中部に生育するハイシマカンギク(C. indicum)だと言われている。
それにさらに様々な原種が加えられ、現在の交配種群の原形ができたものと思われる。
日本には奈良時代末期から平安初期に導入されたと言われるが、最初は薬用だったらしい。
花についた朝露を若返りの薬としたのが最初だという。その後、キクは観賞用に改良
され、江戸時代にピークをむかえる。そこで様々な品種群が育成され、世界に誇る
キク文化ができあがった。そのキク群は外国にも紹介され、以後ヨーロッパでも
品種改良が盛んになる。栽培法も改良され、中でも電照菊はキクの特性を利用した
栽培法で、花期をコントロールできるため、ほぼ1年中キクの花を見れるようになった。
しかしこのことがかえってキクの人気に災いする。1年中手にはいるキクはお葬式や
墓参りに必ず使われる花となり、陰気な花として若い世代に嫌われることとなった。
最近になって、外国産の鉢植えの華やかな品種が花屋に並ぶようになり、人気が復興
してきている。キクの品種改良はまだまだ続いており、切り花用に新しい花色なども
出てきている。将来的にはもっと驚くべき品種がでてもおかしくない花なので、
これからも目が離せないだろう。