04.7.8 白馬岳
コマクサ (駒草)
別名 カラフトコマクサ
ケシ科コマクサ属
学名 Dicentra peregrina
原産地 北海道(大雪山系、幌尻岳、雌阿寒岳、知床山地)
本州(岩手山、秋田駒ケ岳、蔵王山、燧ケ岳、草津白根山、北アルプス
御獄山、八ケ岳)、東北アジア
多年草
「高山の女王」と呼ばれる、日本の高山を代表する花の1つである。
苦労して登った山の上で、この愛らしい花を見た時の感激は、おそらく忘れられない
思い出になる。この花の咲く山は、シンボルマークにしているところが多いのも
うなづける。コマクサとはその花の形を馬(駒)の顔に見立ててのことだが、
とても可愛く優しい雰囲気をもつ花である。花もそうだが、繊細に切れ込んだ
葉も、やさしいシルエットとつくる。しかしながら、その生えている場所は
その姿に似合わず瓦礫ばかりの厳しい場所である。他の植物も生えないような
過酷な場所に生きるその様子からも、孤高の存在を際立たせているのだろう。
白馬岳でも、群落は稜線の瓦礫の斜面にあるので、危険で近づくことができない。
高山の限られた場所のみ生える植物なので、当然個体数も少なく希少な植物
なのだが、この植物を食草にしている昆虫がいるというから驚きである。
北海道は大雪山系にいるウスバキチョウがそれで、国の天然記念物にもなっている。
少し前の記述ではAPG II分類に沿って、ケマンソウ科に分類したが、
最新のAPG III分類でケシ科にまた改めて含まれるようになった。