01.4.27 大船植物園


クレマチス      

 

キンポウゲ科センニンソウ属 

学名 Clematis x hybride

原産地 栽培種

つる性多年草


 クレマチスのことをテッセンとかカザグルマとか呼ぶが、正確に

言うと中国原産のテッセン(C. florida)や日本原産のカザグルマ(C. patens)、

他にヨーロッパ産のラヌギノーサ(C. lanuginosa)、ビティセラ(C. viticella)

などを親として作られた園芸品種をさす。日本人には横文字のクレマチスより、

テッセンやカザグルマのほうが響きがいいみたいで、ひんぱんに使われている。

クレマチスの魅力は、上向きに平開する端正な花姿による。花びらに乱れがなく、

垣根などにからまり花をたくさんつけている姿は、豪華なのだがうるささがなく、

細く長い葉柄をもつ葉とあいまって絵になる。江戸時代にはテッセンを中心と

して多くの品種ができた。カザグルマを江戸時代の渡来とする説があるが、

それ以前の安土桃山時代にすでにカザグルマを題材とした絵が残っており、

かなり前から栽培されていたと思われる。明治以後、ヨーロッパにカザグルマと

テッセンが渡り、そこでさらに他の原種とかけあわされ、現在のような華やかな

品種群が生まれた。逆輸入のかたちで、今の日本で人気となっている。

大輪の花はみごとだが、咲かせるには結構なスペースがいるので、最近では

つるなしの品種が鉢植えなどで売られている。冬に落葉して枯れたような細い茎が

残るが、じつは枯れているように見えて生きていて、来年の花をつける重要なもので

ある。枯れているものと思ってうっかり切ってしまう人が多いので注意が必要である。