04.6.18 小石川植物園


キョウチクトウ (夾竹桃)

     

     

 

キョウチクトウ科キョウチクトウ属 

学名 Nerium indicum

原産地 インド

常緑低木


夏のうだるような暑い日差しの下、鮮やかな花を生き生きと咲かせる花木。 サルスベリなどとならんで、

夏の花として公園や庭に好んで植えられる。 インド原産で、日本へ渡来したのは江戸中期だといわれている。

インドのような熱帯の生まれだが、日本の気候によくあい、関東以西ではどこでもよく育つ。

公害に強いのも特徴で、高速道路の植え込みなどによく使われる。

花は美しく、甘い香りもある優れた花木だが、有毒植物としても有名である。 かつてアレキサンダー大王の軍が

進駐したとき、このキョウチクトウの茎を肉を焼く串に用いた。 茎から出た強力な毒にやられ、大王の軍は

多くの兵士を失ったという伝説が残っているほどだ。

恐ろしい毒がある植物だが遠ざける必要なまったくない。 食べなければまったくの無害で、触って害があるような

ことはない。 逆に毒があるおかげで虫がつかず、農薬をまかずに済むため、人間への環境には良い。

たくさんの品種があり、コレクションをしてもおもしろい。

キョウチクトウを有名にしたのは、広島でのことである。 広島はかつて第二次世界大戦の時、原子爆弾を落とされた。

近来まれに見る大量の人間が一瞬にして死に、街は瓦礫と化した。 原子爆弾の恐ろしいところはその破壊力とともに、

有害な放射能が発生するところである。 爆弾の被害を直接に受けなかった人間も、その放射能で倒れた。

被爆した広島は、70年は植物が生えないだろうと言われた。

しかしその広島でいち早く花を咲かせたのがこのキョウチクトウである。 環境悪化に強い性質が発揮されたのである。

以来、キョウチクトウは広島のシンボルとなり、平和と復興の象徴の花となった。

身近にあるキョウチクトウもそういった目で見て、平和の大切さを忘れないようにしたいものである。