17.05.03 東京都薬用植物園

03.06.10 小石川植物園

09.07.29 筑波実験植物園


マオウ (麻黄) 

 

 

別名 シナマオウ 

マオウ科マオウ属 

学名 Ephedra sinica

原産地 中国、モンゴル

常緑低木


 一見、何気ない草のように見える低木だが、薬学研究用には重要な植物である。

古来より薬として使用されてきて、漢方では地上部分を「麻黄」と呼ばれ利用される。

その成分はエフェドリンというアルカロイドで、交感神経興奮作用、気管支拡張作用

などがあるため、喘息薬、風邪薬の原料にされた。しかし、ここから悪名高い薬も

作られてしまった。いわゆる「覚せい剤」である。

 最近ではダイエットサプリとして注目されているという。

これは、エフェドリンには交感神経効果ともう一つ、食欲減退効果があるためである。

 アメリカではサプリメントが大量に販売され、健康被害による死者も出ている。 

ようやく2003年に規制がかかったというが、命を懸けてまで行うダイエットとは、

いったいなんなのだろうか?

 進化的にみてもマオウは興味深い植物である。分類学上はマツやスギと同じ

裸子植物になっている。しかし、受精の特徴にいくつか被子植物に似たものがあり、

裸子植物と被子植物の中間的存在ではないかと言われている。

 生育場所も他の植物が生えないような荒野などである。遠い昔に繁栄した仲間の

生き残りのようなユニークな植物である。