04.7.2 神代植物園
08.7.2 東京都 武蔵野市
マヤラン (摩耶蘭)
ラン科シュンラン属
学名 Cymbidium niponicum
原産地 本州(関東南部以西)〜沖縄
多年草
常緑広葉樹の林床に生える多年草。全体に葉緑素をもたない
腐生植物で、土壌中のカビ類と共生している。和名は最初に発見
された神戸の摩耶山に因む。シュンラン(シンビジューム)属の
中で腐生生活をするのは珍しい。腐生植物というのは栽培が困難
なので、通常は野生のものを偶然に発見するしかないが、
この神代植物園では毎年梅雨が終わったころに園内で観察できる
貴重な場所である。厳重に保護されているせいか、毎年株が増えて
いるようである。この種は野生では絶滅が心配されるものになった。
自然の森の環境がないと簡単になくなってしまう植物なので、環境
全体を保護する必要がある。現在では栽培法も確立していないので、
残していきたい植物である。葉緑素がない姿は、幽玄な雰囲気さえ
漂わせ、自然の不思議さを感じさせる。