03.5.13 東京都薬用植物園

14.3.20 咲くやこの花館


メコノプシス・ベトニキフォリア        

 

別名 ヒマラヤノアオイケシ

ケシ科メコノプシス属 

学名 Meconopsis betonicifolia

原産地 チベット南部、ミャンマー北部、中国南西部

多年草


 ヒマラヤ地方の高山には青い花を咲かせるケシの仲間が多数あるが、

その中で「ヒマラヤの青いケシ」と名付けられたのは、本種だという。 

この青いケシを見た人は誰しもその美しさと信じられない色に驚く。 

一度目にしたら忘れられないほどで、この花を見にわざわざチベットの

秘境まで行く人もいるほどだ。しかし、人をよせつけない高山の彼方に、

この孤高の花が咲いていると思うと、それを想像しただけで興奮してしまう。

東京では暑すぎて栽培は不可能だが、この薬用植物園は冷温室というのを

備えていて、周年栽培に成功して見事に花を咲かせている。 

冷温室というのは、ただ冷やすだけではなく、日光もとりいれなくては

ならないので、普通の家庭には備えられない特殊な温室である。 

そういった特殊設備がなければ、この花を東京で見ることはできない。

もし東京でも夏を越せる品種を開発したら、その功績は園芸史上に残る

ものとなるに違いない。この花の特徴はなんといってもその花色の不思議さ

である。通常、青い花というのは多々あるが、これほどの大輪に

なるものはない。なぜ、このケシだけがこの大きさで青色なのか? 

なぜ他の大輪の花にはこの色があらわれないのか?

現在、青いバラというのが注目の的になっている。育種家はあらゆる手を

つかって青いバラをつくりだそうとして、最近ようやく青みがかった品種が

作られてきた。しかし、この青いケシと比べたらそれはまったく青とは言えない。

このケシこそ真の「青い花」であり、その座は揺るがないだろうと思われる。