10.4.18 筑波実験植物園


メロカンナ

 

 

別名 メロカンナ・バクシフェラ、ナシタケ

イネ科ナシタケ属

学名  Melocanna baccifera

原産地 インド・バングラデシュ・ミャンマー

多年生常緑竹


 インドからミャンマーにかけての熱帯地域に自生するタケの

仲間の一種。インド東部ではかなりの広範囲に竹林を形成して

おり、地元では建築材料として重要な植物だという。タケ類は

数十年あるは百数十年に一回、一斉開花を起こし枯れるという

特殊な性質があることで知られている。本種も1815年、1911年、

1958〜59年とちょうど48年周期で開花が起こることがわかって

いる。古くよりこのような記録が残っているのは、一斉開花に

よって起こる一斉結実が甚大な被害を及ぼしてきたからである。

この種の大きな特徴はその実で、日本のタケ類などではおよそ

考えられないほどの巨大な、まるでナシを思わせるような実を

つけることである。この実は人間の食用にもなるほどで、この

結実により大量のネズミが発生し、それが他の作物も食い荒らす

ために大飢饉を起こすという。調査チームが前の開花の48年後

の2006〜2007年に現地に入り、一斉開花を確認し、その種子を

持ち帰った。写真の株は2010年現在3年生で、この後2055年

に開花が見込めるという。