09.9.13 北岳


ムシゴケ (虫苔) 

 

 

不完全地衣類ムシゴケ属

学名 Thamnolia vermicularis

原産地 北海道〜本州、北半球・南半球

不完全地衣類


 本州では高山帯などで、他の高山植物と混ざって見られる地衣類の一種。

その姿はうねうねとした寄生虫のようでもあり、枯れた枝のようでもあり、

なんとも奇妙な形をしている。色は白色で、身体は中空の管状である。

近縁のトキワムシゴケとは外見では見分けがつかないが、紫外線を当てると

トキワムシゴケは蛍光を発するのでわかるという。中国では「雪茶」として

漢方薬の材料として用いられる。通常地衣類は子実体を形成し、その菌類を

分類の材料とするのだが、本種は子実体を形成しないために不完全地衣類と

呼ばれている。分類も定まっていないようで、科名もまだ無いようである。

高山に登ればわりとよく見られる本種のような生物が、まだ分類が確定して

いないというのは意外な気がする。