07.1.4 板橋区立熱帯環境植物館
シンビジューム・ナガレックス・イースタン・バニー
‘おぼろ月(おぼろづき)’
別名 シンビジューム・オボロヅキ
ラン科シュンラン属
学名 Cymbidium Nagalex Eastern Bunny cv. Oborozuki
原産地 栽培種
多年草
洋ランとして知られるシンビジュームの新しい系統の園芸品種。
従来のシンビジュームは東南アジア系の大きく派手な花を咲かせる系統で
交配が行われてきたが、シンビジューム(シュンラン)属は日本を含む
アジア温帯地域にも自生しており、古来から中国などでは別の形で栽培観賞
されてきていた。それが東洋ランと言われる系統で、洋ランとの違いは、
品種を交配によって作り出すのではなく、あくまで自然に生まれた変異種を
選別して観賞するというものである。観賞方法も花だけに注目せず、全体の
株の姿や、鉢までも含めた総合的な美を評価するという、独特の思想によって
確立している分野である。両者が融合してきたのはごく最近のことで、
東京ドームでラン展などが開催されるようになり、一般の人間にも広くランの
世界が紹介されてきたためである。それまで垣根があった両分野に新しい
客層が入り、今まで交配を拒んでいた東洋ランの系統にも変化が出始めてきた。
まだ歴史が浅く実験段階だと思われるが、本種のような両系統の交配種が
出始めてきて、これからますます両者の接近が見られると思われる。