09.9.18 筑波実験植物園
オクトリカブト
キンポウゲ科トリカブト属
学名 Aconitum japonicum
原産地 北海道、本州(中部以北)
多年草
山地に生えるキンポウゲ科の多年草。根に猛毒がある植物として
有名なトリカブトだが、「トリカブト」という名の植物は存在しない。
トリカブト類は変異が多く、分類が非常に困難な植物で、それぞれの
細かい違いは素人の私にはよくわからない。
トリカブトは猛毒で有名で、アイヌは矢毒にも使っていた。
残念なことに殺人の道具にもしばしば使われる。猛毒というといかにも
毒々しい花を想像するが、実物はまことに美しい。鮮やかな青紫色は、
目を奪われるほどで、野にある花の中でももっとも美しい部類に入ると思う。
こんな美しい花を、人間が醜い道具として使ってはいけないだろう。
ちなみに乾燥した根は母根を「烏頭(ウズ)」、子根を「附子(ブシ)」と
呼び、強心剤に使う。含まれるアルカロイドはアコニチン。間違って使用
すれば即死亡する危険のあるものだから、素人はぜったいに使用してはならない。
有名な植物学者もこれで死んでいる。春早い若葉は、同じキンポウゲ科の
ニリンソウに似ているので、これで中毒する事故が後を絶たない。