03.7.27 至仏山

03.7.27 至仏山

03.7.27 至仏山


オゼソウ (尾瀬草)

  

  

サクライソウ科(ユリ科)オゼソウ属

学名 Japonolirion osense

原産地 本州(尾瀬至仏山、谷川岳)、北海道(天塩山地)

多年草


 本州では尾瀬の至仏山、谷川岳、北海道では天塩山地にしかない、

1属1種の非常に珍しい植物。1929年7月に至仏山で最初に採集され、

その翌年、谷川岳で採集された。その翌年の1931年に北海道で発見

され、新種ではないかと言われたが、同じものであることがわかった。

花自体は、緑色で小さく、観賞価値はほとんどないが、属名も

japonolirionであり、日本を代表する特産種であることがわかる。 

種名もずばりosenseであり、尾瀬の名がそのまま入っている。

自分が至仏山に登ったのも、この花に出会えるのではないかという

希望があったからであるが、山頂近くで見つかった。群生しており、

数はわりと多いような気がした。山道の脇で見られ、ちょっと拍子抜け

するくらい簡単に見つかった。第一印象はやはり、「小さい」という

ことだった。花もおせじにも美しいものではないが、他の植物に無い

面白い形をしているとも思った。もし、事前に知識がなかったら、

気づかずに通りすぎてしまうかもしれないくらい、さりげなかった。 

葉は、同じく尾瀬で見た、イワショウブにも似ていると思った。しかし、

葉と花はべつべつに立つらしい。生態的にも特異である。以前の分類では

ユリ科に含まれていたが、近年のDNAをもととしたAPG分類法では

ユリ科から分けられ、サクライソウ科に含まれることとなった。