06.8.1 大阪府 鶴見緑地

06.9.13 東京都薬用植物園


サツマイモ (薩摩芋)

 

 

ヒルガオ科サツマイモ属

学名  Ipomoea batatas

原産地 中央アメリカ

多年草


 中央アメリカ原産だと考えられているが、本当の原種は見つかっていない。

中央アメリカでは古くから栽培されており、その後南アメリカ地域や、南太平洋地域

の島々に渡っていった。そして一端ヨーロッパに渡っていってから、ヨーロッパ経由で

東アジアに伝わっていったという。日本へは1597年(慶長2)に宮古島に入っている。

日本では最初南九州を中心に栽培が広まったが、全国的になったのは江戸時代の

青木昆陽による普及があったからである。サツマイモはやせ地でも育ち、しかも栄養価

が高いので、救荒作物として優れた性質をもっていた。その後第2次世界大戦において

は全国的な食料不足を補った野菜でもある。

 ヒルガオ科の植物で、アサガオに似たラッパ状の花を咲かせる。白い花弁で、中心部分

が紫色に染まるなかなかきれいな花だが、関東などでは日照不足で咲かない場合が多い。

地下の食用部分は塊根といって、根の一部が肥大したものである。表皮が赤いものが

一般的だが、皮が白いものや、中の部分が紫色に染まるものもある。茎は地面をはって

長く伸びるが、他のものには巻き付かない。茎が地面についた部分の節から根を出し、

やがてイモをつける。病虫害も少なく、あまり手間をかけずに収穫できることから、

よく子供用の農園体験材料に使われる。

 調理法としては石焼き芋が知られ、焼いた石で加熱して、甘味が充分にのったものが

石焼き芋屋の屋台で売られる。石焼き芋屋の売り声は、日本の下町の風物詩ともなって

いる。その他、炊き込みご飯や汁の実、天ぷらなどにされるが、加熱すると甘みが強く

なるため、お菓子としての利用も多い。また、九州ではこのイモから芋焼酎が作られ

名物品になっている。