04.7.25 国営武蔵丘陵森林公園

04.7.25 国営武蔵丘陵森林公園


トマト 

     

     

 

ナス科トマト属 

学名 Lycopersicon esculentum

原産地 ペルー

多年草


16世紀に南アメリカのペルーで発見され、ヨーロッパに紹介されてから今日に至るが、野菜の歴史としては

それほど早い発見ではなく、むしろ新しい部類に入るだろうと思われる。

しかしながら、現在世界中の生産量としては1、2を争うほどのものとなった。 それほどのものとなるとは、

当時は考えられもしなかったろう。 なぜなら、ヨーロッパに入った当初、その毒々しい色合いからもっぱら、

観賞用として栽培されていた経緯があるからである。

日本へは18世紀に入ってきた。 1709年出版の「大和本草」には「唐ガキ」として紹介されている。

これは中国名の「六月柿」からのものと言われている。 しかし、日本でトマトが食卓に上るようになったのはごく最近の

ことである。 これはイタリアンをはじめ、外国料理が家庭に入ってきたことによるだろう。

イタリアではトマトはなくてはならない食材で、生よりもむしろ加工してソースなどに用いられる。

今や赤いトマトソースがかかった料理はイタリア料理を象徴するものになった。 トマトが入る前のイタリア料理はまったく

赤い色をしていなくて、知らない人が見ればどこの料理かわからないだろう。 トマトが食文化を激変させてしまったのである。

アメリカでもトマトは最初、毒があるといわれ、誰も食べるものがいなかった。 しかしその後トマトが有用な食品と知ると、

加工され、有名なトマトケチャップができた。 アメリカ食を代表するハンバーガーも、このケチャップなしには語れない。

トマトには独特の匂いがあり、昔の日本では好き嫌いが激しかった。 しかし現在の若い世代でトマトを嫌う人はいないだろう。

日本ではまだ生で食べる習慣のほうが強いが、そのうち日本独自の加工食品として生まれ変わるかもしれない。

トマトにはグルタミン酸などのアミノ酸が含まれ、コンブなどと同じうま味成分をもつ。 つまり「ダシ」として使えるのだ。

その他、豊富なビタミンCをもち、それがなんと加熱しても残っているという。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれる所以である。