03.5.3 神代植物園


トチノキ (栃ノ木)      

 

 

ムクロジ科(トチノキ科)トチノキ属 

学名 Aesculus turbinata

原産地 北海道〜九州

落葉高木


 栃木県の県木。高さ35メートルにもなる巨大な落葉樹で、日本人とは

古来からのつきあいである。その実はクリほども大きく、古代人の食糧と

して重宝された。しかし、その実はタンニンを含み、通常は渋くて食用に

ならない。古代人は巨大な渋抜き装置を使って大量の実を渋抜きしていた

という。今でもトチノキの実を作ったトチ餅を作るのはその名残である。

葉は独特の掌状複葉で、大きく一目でそれとわかる。花は円すい花序を

つくり大量の花をつける。花は1つ1つはなかなか複雑なかたちで、他に

似たような花がないので、一度じっくり見ると面白い。

冬芽も大きく、粘りの強い樹脂に覆われていてつやつやして、独特である。

 近年、DNA解析による新しい分類法が提唱された。APG分類と言われる

もので、それによると今まで独立科だったトチノキ科がカエデ科など

ともにムクロジ科に統合されるようになった。最新の科学が真の類縁関係

を明らかにしようとする一歩だと言えるだろう。