05.3.15 小石川植物園
ヤブツバキ (薮椿)
別名 ツバキ、ヤマツバキ
ツバキ科ツバキ属
学名 Camellia japonica
原産地 本州〜沖縄、朝鮮南部、中国
常緑高木
山地や海岸近くに生える常緑樹。 一般にツバキと呼ばれるのは本種で、
花が美しいことから庭木にもされ、園芸品種も多数生まれている。 本州以南に
普通に自生するが、主に太平洋側に分布する。 日本海側の積雪地帯には変種と
されるユキツバキが自生して気候によって適応しているのがわかる。
種子からは油が採れ、椿油として整髪料などとして使われる。 灰は焼物の
釉薬や染物の媒染剤としても知られている。 18世紀にはヨーロッパに紹介され、
19世紀から盛んに園芸交配がされた。 現在はヨーロッパで改良されたものが、
逆輸入されている。 オペラ「椿姫」も有名である。
ツバキの花は花びらが散らず、首から花ごと落ちる。 そのため「首が落ちる」
として縁起が悪いとされ、特に武士から嫌われていたというが、それは明治時代
から流布した単なる噂話で、実際はそんなことはなかった。
ツバキの送粉者は昆虫でなく、小鳥で、そのため花が大きく花色も赤い。
花びらも厚く丈夫にできているのも力の強い小鳥相手の花だからである。