04.3.23 東京都薬用植物園
08.6.4 礼文島
アキタブキ (秋田蕗)
キク科フキ属
学名 Petasites japonicus ssp. giganteus
原産地 本州、北海道、千島、樺太
多年草
春の山菜で有名なフキの、北方系の亜種だが、食用として栽培されるのは通常この
種であるという。春のツボミもフキノトウとして楽しまれるが、通常は葉柄を食べる。
特有の香りとしゃきしゃきとした歯触りを楽しむ。栄養価は低いが繊維質が豊富である。
北海道などで見かけるアキタブキは、ものすごく大きく、その高さは2メートルをこす
場合もある。その先にまた巨大な円形の葉をつけ、傘のかわりになりそうである。
その葉のわきに人が立つと、まるで小人になったような錯覚を覚える。北海道に住む
アイヌの伝説に出てくるコロポックルという小さな妖精の話はこんなところから生まれた
のだろうか。アキタブキだけが巨大なわけではなく、他にも北の冷涼な地域には
オオイタドリやシシウドなどの巨大な草が多い。これは光合成ができる季節が少ない
ために、雪解けとともにいっきに背を伸ばす戦略なのかもしれない。
ちなみに東京ではそんなアキタブキも大きくはならない。温度があると逆に小さく
なってしまうのだ。