17.03.27 京都府立植物園
カンヒザクラ (寒緋桜)
別名 ヒカンザクラ、サツマザクラ
バラ科サクラ属
学名 Cerasus campanulata (=Prunus cerasoides var. campanulata)
原産地 中国南部、台湾
落葉小高木
日本で、年が変わって一番早く開花情報が届くサクラである。
東京でもまだ寒い2月ころから咲き始める。もともとは中国南部と台湾の原産だが、
沖縄などに植えられ、石垣島などでは野生化している。ソメイヨシノが開花すること
ができない沖縄では、貴重な存在のサクラである。開花が早い性質を利用して、早咲き
サクラの交配の親に使われる。品種のカンザクラや伊豆のカワズザクラなどは、東京付近
でソメイヨシノより数週間早く咲くサクラとしてかかせないものとなりつつある。
カンヒザクラも東京付近では冬を越し、花を咲かせるが、木はあまり大きくならず、花色も
濃すぎてサクラの感じが薄いため、あまり知名度がないのが残念である。
カンヒザクラは昔はヒカンザクラと言われていたが、彼岸桜(ヒガンザクラ)と紛らわしい
ため、現在ではカンヒザクラと呼ぶようになっている。ヒマラヤに産するヒマラヤザクラの
変種とされる。ヒマラヤザクラは日本では秋から冬にかけて咲き、本種よりさらに早い花期を
もつ。