08.5.9 筑波実験植物園
カキツバタ (杜若、燕子花)
アヤメ科アヤメ属
学名 Iris laevigata
原産地 北海道〜九州、朝鮮、中国東北部、シベリア東部
多年草
湿地に生える花の美しい多年草で、古くより知られる。名前は「書きつけ花」から
きており、花の汁を布につけ、色を楽しんだことによるものらしい。
古くより鑑賞用に栽培され、品種も多いが、ハナショウブほどではない。
「いづれアヤメかカキツバタ」という言葉がある。美しいものがそろっている、
または見分けがつきにくいことの例えなのだが、アヤメとカキツバタはそれほど
似ていない。花を見れば一目瞭然で、花びらに網目模様があるのがアヤメ。
シンプルに白い一本線だけひかれているのがカキツバタである。むしろそれをいう
ならカキツバタとノハナショウブのほうが似ている。ノハナショウブはハナショウブ
の野生の原種なのだが、花の形はそっくりである。見分けるのはやはり花びらの模様で、
カキツバタが先ほど書いた白の一本線なのに対し、ノハナショウブは黄色の一本線である。
群生させるといっせいに開花して見事なので、池の際などに植えると見ごたえがある。
自生地のいくつかは国の天然記念物になっている。家庭で栽培する場合は、水を溜める
工夫がほしい。