14.4.15 六甲植物園
ミズバショウ (水芭蕉)
サトイモ科ミズバショウ属
学名 Lysichiton camtschatcense
原産地 本州(兵庫県および中部以北の日本海側)、北海道、千島、
カムチャッカ、樺太、ウスリー
多年草
尾瀬とこのミズバショウの組み合わせは歌にもなっており、あまりに有名である。
まだ雪解け間もない広々とした湿原に、この白いミズバショウが群生し、背景にある
山々はまだ雪をかぶっている。高層湿原を代表する風景である。
名前のミズバショウは、花の後にのびてくる葉が巨大で、バショウを思わせるからである。
ミズバショウを可憐なイメージでとらえてる人は、この葉を見て驚く。
大きな白い花はまだ春早くの寒い時期に咲くが、花粉を媒介する昆虫は来るのだろうか?
一説によると、花には発熱する機能があり、それで虫を活発に働かせるという。
また、清楚なイメージと裏腹に、全草に毒を含み、傷つけると嫌な匂いもする。
分類的にいうと、ミズバショウ属は全世界で、日本を含む東アジアと、北アメリカに
2種のみある珍しい植物である。北アメリカのはアメリカミズバショウといい、
花はなんと黄色である。こちらは別名スカンクキャベツと言われ、日本とあまりに
扱いが違って面白い。最近、栽培されたミズバショウが園芸店で売られるようになった。
しかし、積雪地帯に生きる植物なので、東京などではうまく育てるのは難しいと思われる。