05.3.30 小石川植物園

08.12.10 皇居東御苑

14.12.4 咲くやこの花館


ヤドリギ (寄生木)



ビャクダン科(ヤドリギ科)ヤドリギ属

学名 Viscum album var. coloratum

原産地 日本、中国、朝鮮

常緑小低木


 樹上に生える寄生植物の一種である。エノキケヤキブナミズナラクリ

サクラなどの落葉高木につく。撮影場所の小石川植物園では、ヤマナシの木に

ついていた。直径は1メートルほどもありそうだった。

枝はきっちり二股づつわかれていき、全体に丸いボールのような形になる。

冬に葉が落ちた木の枝先に丸い緑のボールがついているので、目わけやすい。

根は木に食い込み、養分を取っているが、緑色の葉はちゃんとついており、

光合成もしているので、完全寄生ではない。花は小さく目立たないが、実は丸い

かわいいのがついて、葉とあいまって、この木を特徴づけている。雌雄異株のため、

実がつくのは雌株だけである。日本ではそれほど有名でないこの木だが、

ヨーロッパではごく近縁のオウシュウヤドリギが、古代から聖なる木として、

信仰の対象になっている。まだキリスト教化される以前のヨーロッパの

ケルト民族のシャーマンであるドルイド僧は、このヤドリギを特に神聖視して、

これを採取する儀式は有名であるという。北欧神話にも主神オーディンの不死身の

息子を殺す木として登場する。

 実の果肉は粘り、鳥はこの実を食べたときにクチバシに粘り着いたこの実を、

木の肌になすりつけてとる。その時に種子が木の肌につくという。

ヤドリギが寄生しても、その木は枯れることはない。それはこの植物が光合成も

している省エネ形の寄生植物だからである。それに基本的にこのヤドリギは、

大きな木にしか着かない。そういう意味では、森が少なくなれば、この植物も

絶滅してしまうだろう。

 なお、最新のDNA解析を用いた分類法では、ヤドリギ科はビャクダン科に

含まれるようになった。