14.8.6 北大植物園


セリ (芹)    

     

セリ科セリ属 

学名 Oenanthe javanica

原産地 日本全土、千島、樺太、ウスリー、東アジア〜インド、オーストラリア

多年草


 水の流れる場所に生える多年草。春の七草の一つで、本種からその一番最初に出てくる植物である。

ちなみに春の七草は「セリ、ナズナゴギョウハコベラホトケノザスズナスズシロ

春の七草」。古代より春の若菜として普通に食べられて来た。純日本原産の野菜といっていい。

分布は広く、東アジアからオーストラリアと世界に広く生育している。セリ科の名前のもとと

なるほどの代表種だが、セリ属40種のうち、日本にあるのは本種1種しかないのは意外な気がする。

昔は水田など水辺に普通にどこにでもあった野草だったが、都市化された今は見ることも

少なくなったような気がする。セリの名は万葉集にも出てくる、古代から変わらない名前で

あるという。語源は、競り合う、迫り出す、など群がり出てくる様子からだという。 

セリが、摘んでも後から葉をどんどん出すところからつけられたのだろう。

語源が、同じセリ科のアシタバに似ているのが面白い。

セリはくせがなく、おいしい野草だが、摘むときにはよく似た猛毒のドクゼリに注意が必要である。